子どもの自尊心と自己肯定感を育てるには?効果的な関わり方と家庭でできる5つの方法

子どもの健やかな成長には、自尊心と自己肯定感を育てることが欠かせません。日本の子どもは自己肯定感が低いとされ、親の関わり方が大きく影響します。厳しすぎるしつけや比較は逆効果となり、受け入れや感謝の言葉が心を育てる基盤となります。
本記事では、自尊心と自己肯定感の違い、日本の現状、低下する原因、そして家庭でできる5つの具体的な方法を解説します。

子どもが自分自身を信じ、失敗を恐れずに挑戦できるようになるには、「自尊心」と「自己肯定感」を育てることがとても大切です。これらは幼児期〜小学校低学年の時期に土台が築かれるため、保護者による接し方や関わり方が大きく影響します。

本記事では、「自尊心」と「自己肯定感」の違いや、日本の子どもたちの自己肯定感の現状、自尊心が育ちにくくなる原因、そして子どもの心を育むために家庭で実践できる5つの方法を紹介します。

目次

自尊心と自己肯定感とは?それぞれの言葉の違い

自尊心と自己肯定感とは?それぞれの言葉の違い

一見似た意味を持つ「自尊心」と「自己肯定感」ですが、心理学的には明確な違いがあります。

  • 自尊心(self-esteem):他者からの評価や、自分の能力に対する自信など、“何かしらの根拠”をもとに自分を肯定的にとらえる感情。
  • 自己肯定感(self-affirmation):根拠がなくても「ありのままの自分を認められる感覚」。他者評価に左右されず、自己評価から生まれる前向きな気持ち。

つまり、自尊心は実績や評価に基づいて高まる傾向がありますが、自己肯定感は「何もできなくても、今の自分で大丈夫」と思える内面的な感覚です。

日本の子どもは自己肯定感が低い?

諸外国と比べて、日本の子どもは自己肯定感が低い傾向にあります。

内閣府が公表した「平成26年版 子ども・若者白書(全体版)」によると、自分に満足している日本人の若者は45.8%です。同調査でほかに対象となっている諸外国(韓国・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・スウェーデン)の中では、韓国の71.5%が最低値であり、日本の低さが突出しています。

特に10代後半から20代前半にかけての日本の若者は、自分の価値を見いだしにくい状態にあるといえます。これは、幼少期の家庭環境や教育のあり方が影響している可能性も高いため、保護者の意識がますます重要です。

出典:内閣府「平成26年版 子ども・若者白書(全体版)」

子どもの自尊心・自己肯定感が育ちにくい3つの原因

子どもの自尊心・自己肯定感が低い原因

子どもの自尊心や自己肯定感が育たない背景には、親の関わり方や家庭の雰囲気が密接に関係しています。代表的な原因として挙げられるのは以下の3つです。

  • 過度に厳しくしつける
    過度な叱責やルールの押しつけは、「怒られないようにすること」が行動の基準となり、子どもが主体的に考えたり、自分の価値を実感する機会が減ってしまいます。このような状態では努力の基準が親になってしまうため、自尊心・自己肯定感が高まりません。適度に叱ることは教育において大事な場合もありますが、必要以上のしつけにならないよう配慮しましょう。
  • 子どもの話を聞かない・聞いても反応しない
    子どもの話に真剣に耳を傾けなかったり、適当な返答ばかりしていると、「自分に興味を持ってもらえない」「自分の存在に価値がない」と感じてしまう原因になり、自尊心・自己肯定感が下がりやすくなります。夕飯の支度中など反応が難しい場面もありますが、子どもの話にはできるだけ丁寧な態度で耳を傾けてあげましょう。
  • 子どもの行動を親が決める
    「失敗させたくない」という親心から子どもの行動を制限しすぎると、自分で決断する力や、挑戦への意欲が育たず、自尊心・自己肯定感の低下につながります。子どもは新しい経験を積み重ねる中で、自尊心・自己肯定感を養います。子どもの決定を尊重し、親はサポート役になることが大切です。

自尊心・自己肯定感が低い子どもの特徴

以下のような傾向が見られる場合、子どもはすでに自己肯定感が下がっている可能性があります。

  • 新しいことに挑戦しない
    自尊心・自己肯定感が低い状態では、好奇心や喜び以上に「失敗したらどうしよう」というマイナス思考が上回ります。そのため、自分の行動に対して自信を持てず、不安が先に出て新しいことに挑戦できなくなる点が特徴です。
  • 自分の意見を言わない
    「自分の考えは間違っている」「批判されたら嫌だ」という自信のなさから、自分の意見を言わないことも特徴です。その場を穏便に乗り過ごすことを優先し、自己主張せず周りの意見に合わせる傾向が見られます。
  • ほめても受け入れようとしない
    自尊心・自己肯定感が低い子どもは、ほめられても「自分は大した人間ではない」という感情が優先されるため、喜ぶ仕草をあまり見せません。一方で自尊心・自己肯定感が高いと、相手のほめ言葉をポジティブに受け入れる傾向があります。

子どもの自尊心・自己肯定感を高める方法5つ

子どもの自尊心・自己肯定感を高める方法4つ

子どもの自尊心・自己肯定感を高めたい場合、親の関わり方や対応が重要です。親の言動によって、無意識のうちに子どもの自尊心・自己肯定感を下げている場合があるため、ポイントを押さえた上で子どもと接しましょう。

ここでは、子どもの自尊心・自己肯定感を高める5つの方法を紹介します。

子どものすべてを受け入れる

大前提として、子どものすべてを日頃から受け入れることで、子どもの自尊心・自己肯定感が高まりやすくなります。全面的に受け入れると、子どもの中で「自分は親にとって大切な存在」という感情が大きくなるためです。

たとえば、何かに失敗して泣いていたら、「何をしているんだ」「落ち込むんじゃない」と叱るのではなく、子どもの悲しい気持ちや悔しい気持ちを受け止めましょう。失敗しても受け止めてくれる人がいれば、子どもはポジティブな気持ちで次の挑戦に臨めるようになります。

過度な期待はかけすぎない

親が期待をこめすぎると、子どもは「期待に応えなくてはならない」というプレッシャーを感じます。子どもの教育に力を入れている親ほど、子どもに求めるものが増える場合もありますが、必要以上に期待を押し付けないことが重要です。

たとえば、学校の徒競走で子どもが2位だったときに、さらに上を望んで「次は1位を目指そうね」と声をかけるケースがあるでしょう。このような場合でも、まずは2位になった頑張りや2位に至るまでの過程、挑戦する姿勢をほめてあげることが大切です。

期待する行為自体は悪くありませんが、過度な期待にならないよう距離感を持って接することが、自尊心・自己肯定感の高まりにつながります。

ささいなことでも感謝とほめ言葉を伝える

日常生活の中で起きるささいなことでも、親が感謝の言葉をかけると、自尊心・自己肯定感が高まります。自分の言動により相手が喜んでくれると、子どもの中に「またやろう」という前向きな気持ちが芽生えやすくなります。反対に親から感謝の言葉がなければ、子どもは「自分の行為は意味がなかった」とネガティブに捉える可能性があるでしょう。

感謝の言葉と同様に、ほめることも子どもの自尊心・自己肯定感を高める上で大切な行為です。ほめる際は「何がよかったのか」を具体的に伝えると、ほめてもらった内容を次の目標に向かって生かせるようになります。

子どもに選ばせて考えさせる

「自分で選び、自分で考える経験」を日常生活の中で積み重ねることも重要です。

たとえば、「今日着る服はどれにする?」「どちらのおやつがいい?」といったシンプルな質問でも、子どもが自分で選ぶ機会を意識的に設けることで、「自分の意見が尊重されている」「自分に選ぶ力がある」という自信につながります。

さらに、何かを決める場面では、大人が一方的に指示をするのではなく、「あなたはどう思う?」「どちらがいいと思う?」と子どもに考えを求める姿勢を見せることも大切です。このようなコミュニケーションを通じて、子どもは「信頼されている」「自分の意見が価値あるものだ」と感じるようになり、承認欲求が満たされていきます。

こうした小さな積み重ねが、子どもの自信や主体性を育て、健全な自己肯定感と自尊心を養う大きな土台となるのです。親の関わり方ひとつで、子どもは「自分には価値がある」と実感できるようになります。

何があってもほかの子どもと比較しない

子どもの自尊心・自己肯定感を高める上で絶対にやってはいけないことが、ほかの子どもとの比較です。自尊心・自己肯定感を高める上では、子ども自身ができるようになったことに注目するべきであり、他人と比較する必要はありません。

周囲と比べられると、「周囲よりも勝ること」が子どもの中で大切になり、足りないと感じた部分に劣等感を抱きます。また、常に周囲と比べられる環境では、自分と人を比べる習慣が子どもに身につき、結果的に自尊心・自己肯定感を低くする要因となります。

子どもはそれぞれに個性やよさがあるため、自分の子どもがどれだけ頑張っているか、どれだけ成長しているかに注目することを心がけましょう。

まとめ

日本の子どもは世界的に見ても自己肯定感が低い傾向にありますが、保護者の関わり方次第で自尊心・自己肯定感は大きく育てることができます。大切なのは、「子どもを信じて、ありのままを受け入れること」。これが子ども自身の“自己価値”を育む第一歩です。

また、自尊心や自己肯定感を高めるには、好きなことに打ち込む経験や成功体験も効果的です。
たとえば、ウィズダムアカデミーでは、お子さまが主体的に学び、達成感を得られる多彩な習い事プログラムを提供しています。オンラインレッスンにも対応しているため、ご家庭の状況に合わせたサポートが可能です。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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