習い事を多くさせる親の心理とは?メリットやデメリット、親が考えるべき3つの視点

子どもに習い事を多くさせる親の心理には「継続力を育てたい」「自分ができなかったことを経験させたい」「礼儀や協調性を身につけさせたい」「プロを目指してほしい」といった思いがあります。習い事が増えることで社交性や適性発見、自己肯定感向上などのメリットがある一方、自由時間の減少や金銭的負担といったデメリットも生じます。
本記事では習い事を多くさせる親の心理と、そのメリット・デメリット、さらに親が考えるべき3つの視点を解説します。

近年、多くの家庭で子どもに複数の習い事をさせるケースが増えてきました。特に共働き世帯では、放課後や休日にスケジュールがびっしり詰まっている子どもも珍しくありません。一方で、習い事が増えることで自由に遊べる時間が減り、子どもの負担や家計への影響を心配する声もあります。

当記事では、子どもに多くの習い事をさせる親の心理背景と、そこから生まれるメリット・デメリットについて解説します。さらに、習い事の量を決める際に親が意識したい3つのポイントも紹介しますので、習い事の選び方に悩んでいる方はぜひご覧ください。

目次

習い事をたくさんさせる親の心理

習い事をたくさんさせる親の心理とは?

子どもの習い事が多い家庭を見ると、「習い事をさせすぎでは」「私の子どもは習い事が少なすぎるのか」と不安になる親もいるでしょう。しかし、多すぎるように見える家庭でも、親は子どものことを考えて多くの習い事をさせるケースがあります。

ここでは、習い事をたくさんさせる親の心理を4つ紹介します。

継続することに意味があると考えている

「継続は力なり」という価値観のもと、小さい頃から何かを続けることの大切さを教えたいと考える親は多くいます。たとえ成果がすぐに出なくても、地道に取り組むことで得られる自信や自己肯定感は、将来にわたって大きな力になるでしょう。

1つのことを継続する大切さを知り、「人生でつまづいたときも簡単に投げ出さない人間になってほしい」と考える親は、習い事に積極的です。

自分が子どものときにできなかったことをさせたい

「自分ができなかったことを子どもには経験させたい」という思いから、憧れていた習い事や途中で諦めたことを子どもにやらせる親もいます。プログラミングや英会話など、時代に合わせて役立つスキルを習わせたいという考えも増えています。

礼儀正しい子どもに育ってほしい

スポーツや日本文化の習い事(書道、茶道など)を通じて、礼儀作法や協調性を学ばせたいと考える保護者も少なくありません。習い事の中には勉強やスキルだけでなく、人への礼儀や正しい所作などを学ばせるものもあります。

例えば、野球などのスポーツ系ではグラウンドやコートへ敬意を払い、使用する道具を大切に扱うことを徹底させる点が人気です。和室におけるマナーや和装時に美しく見える所作といった、日本人らしい振る舞いを身につけさせたい場合は、お茶やお花などが選ばれる傾向にあります。

将来、社会で困らないようにという思いが根底にあります。

プロスポーツ選手を目指してほしい

習い事にスポーツを選ぶ場合、子どもに「ただ楽しんでほしい」と考える親もいますが、スポーツや芸術の分野で「プロを目指してほしい」という強い期待から、幼少期から本格的な習い事に通わせる家庭もあります。子ども自身の才能を早期に見つけたいという気持ちが背景にあります。

習い事をたくさんさせることのメリット

子どもに習い事をたくさんさせることにメリットはある?

子どもに習い事をたくさんさせる主なメリットは、以下の2点です。

  • 社交性や柔軟な対人スキルが育つ

    たくさんの習い事をさせれば、その分多くの人と出会うことができます。保育園や幼稚園では出会えない地域の友だちができたり、年の離れた相手とのつき合い方を学べたりします。

    異なる性格・家庭・年代の相手と交友関係を持つことで、柔軟な対応能力や協調性を自然に発達させることが可能です。幼い頃からコミュニケーション能力を鍛えれば、良好な人間関係を築きやすくなるでしょう。
  • 子どもの適性を見極めやすい

    さまざまな習い事を体験することで、子どもがどの分野に向いているか、あるいは苦手とするかを早期に気づけます。得意な分野に力を入れて伸ばせば、世界に羽ばたける人間に育つ可能性もあるでしょう。

    習い事をさせることで、今まで子どもが興味を示していなかった分野への適性が見つかるケースもよくあります。
  • 習い事の成功体験が子どもの自信を育てる

    複数の習い事に取り組むことで、子どもはさまざまな場面で「できた!」という達成感を得ることができます。特に「自分はこれが得意」という実感を持つと、学校生活や日常の中でも前向きな行動が増えていく傾向があります。さらに、先生や保護者に褒められる機会が増えることで、自己肯定感も高まりやすくなります。

    子どもの自己肯定感や達成感を伸ばしたいご家庭には、興味や得意分野に合った習い事を複数選ぶことが効果的です。
  • 習い事の両立で自然と時間管理スキルが身につく

    複数の習い事をこなすには、自分の予定を把握し、効率的に時間を使う必要があります。このプロセスを繰り返すうちに、子どもは自然とスケジュール管理の大切さや優先順位のつけ方を学んでいきます。

    たとえば、「今日はピアノのレッスンがあるから、宿題は早めに済ませておこう」といった思考ができるようになると、自主性も育まれます。時間を意識して行動できる子どもは、学校生活でもテスト勉強や準備が計画的に進められるようになり、将来的には仕事や人間関係にも役立つスキルとなります。

習い事のしすぎがもたらすデメリット・注意点

子どもに習い事をたくさんさせることには、メリットだけでなく以下のようなマイナス面もあります。

  • 自由時間が減ることで心の余裕がなくなる

    習い事の数が増えるほど、子どもの自由時間は少なくなります。学習系の習い事ばかりを選ぶと、子どもらしく遊ぶことで得られる経験を損なうリスクがあるでしょう。また、子どもが幼いうちは送迎が必須となるため、保護者のスケジュールも制約を受けることになります。
  • 家計への金銭的な負担

    習い事の内容によっては月謝以外にも道具代や衣装代、交通費用などが別途必要です。習い事の数が多ければその分出費は増え、家計を圧迫します。習い事を続けさせるつもりなら、長期的な予算計画が必要です。
  • 「本当にやりたいこと」が見えなくなる可能性も

    習い事をたくさん経験させることで多くの刺激を受けられる一方で、子ども自身が「何が好きで、何を続けたいのか」が分からなくなってしまうことがあります。これは、親の「いろいろな体験をさせてあげたい」という思いが強くなりすぎた結果、子どもが自分の気持ちを見失ってしまうことが原因です。

    選択肢が多すぎることで、かえって迷いやプレッシャーが生まれ、「本当はやりたくないけれど、親の期待に応えよう」と無理をしてしまう子どももいます。

子どもに習い事をたくさんさせてもいい?親が考えるべき3つのこと

子どもに習い事をたくさんさせてもいい?親が考えるべき3つのこと

子どもにたくさんの習い事をさせることにはメリットもデメリットもあるため、どちらがよいとは一概に言えません。また、ちょうどよい習い事の数は子どもによっても異なります。子どもにさせる習い事の数は、子どもの適性や本人のやる気に応じて柔軟に変化させることが重要です。

ここでは、子どもに習い事をさせるときに親が考えるべきことを3つ解説します。

子どもが前向きな気持ちで習い事に取り組んでいるか

子どもに習い事をさせるときは、子ども自身が「楽しい」「やってみたい」という気持ちで取り組めるかがポイントです。子どもが習い事に納得していなかったり嫌がっていたりする場合、無理に続けさせるとストレスの原因になり、期待した効果が得られない傾向にあります。習い事自体が嫌な思い出として残る上、習ったことが全く身につかない可能性もあるでしょう。

習い事をさせるときに重要な点は、親の希望ではなく子ども自身の希望です。親がやりたかったこと・やらせたいことはあくまでも習い事候補の1つとして考え、子どもの未来を広げられるもの・興味を持てるものを中心に考えましょう。

「習い事に通う」ことが目的になっていないか

習い事に対して子どもの自主性がなくなっているときは、「習い事に通うこと」が目的になっている場合があります。習い事は、「習うことで目標を達成する」ために通うものです。例えば、ピアノであれば「○○の曲をマスターする」、水泳なら「25m泳げるようになる」など、何かしらの目的を持って習います。

達成できれば喜びを感じ、力が及ばなければより一層努力してみようと考えるように、子どもが習い事に対して意志や意欲を持てているか確認しましょう。習い事に対する積極性が見えないときは、継続の有無を話し合うことをおすすめします。

友だちや家族と過ごす時間を奪っていないか

習い事から得られるものは多くありますが、分かりやすい成果を重視した結果、友だちや家族と過ごす機会を奪うことがあります。

友だちと遊ぶ時間は、子どもの健全な成長に欠かせません。人と上手にコミュニケーションを取る能力は、多くの友達とつき合う中でこそ培われます。また、子どもが大きくなれば必然的に家族の時間は少なくなります。子どもが幼いうちに家族で過ごす時間を確保し、信頼関係を築いておくことも重要です。

まとめ

子どもにたくさんの習い事をさせる親の多くは、子どもの将来を考えて習い事を選んでいます。子どもに多くの経験を積ませることで、子どもの社交性を伸ばしたり適性を見出したりなど、将来的な選択肢を増やせるでしょう。

しかし、子どもが望まないことや意欲を持てない習い事を選ぶと、かえって子どもに嫌な思いをさせてしまう恐れがあります。子どもが夢中になって学べる質の高い習い事を受けさせたい場合は、校舎でもオンラインでも学べるウィズダムアカデミーをご検討ください。

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