子供に英語の習い事をさせるメリット・デメリット!施設の種類も紹介
小学生の英語必修化や現代のグローバル化を受けて、子供のうちから英語を学ばせてあげたいと考えている方もいるのではないでしょうか。幼少期から英語に慣れ親しむことで、英語脳・英語耳を育んだり、英語への苦手意識をなくせたりするメリットがあります。
一方でセミリンガルになる可能性がある点や、そもそも子供が英語教育を望んでいない場合は、デメリットにつながる可能性もあるでしょう。
当記事では、子供に英語の習い事をさせるメリット・デメリットや、英語の習い事を受けられる施設の種類などについて解説します。
1.子供に英語の習い事をさせるメリット
小学生の英語必修化の影響もあり「幼少期から子供に英語力を身に付けさせたい」と考える方もいるのではないでしょうか。英語を学べる教育施設の中には、子供向けのところも少なくありません。
子供に英語の習い事をさせると、複数のメリットが期待できます。まずは、具体的にどのようなメリットがあるのか確認しましょう。
1-1.英語脳・英語耳を育みやすい
幼少期から英語の習い事をさせる最大のメリットとして、年齢的に英語脳や英語耳を育みやすい点があげられます。
英語脳とは、聞いたり読んだりした英語の言葉を、頭の中で英語のまま理解できることです。学習者が英語を理解するとき、一度頭の中で日本語に変換する場合がほとんどです。早い段階で英語脳を育むと、日本語に訳さず意味を理解できる仕組みが作られます。
英語耳とは「L」と「R」など特有の発音の違いを聞き分けられる耳のことです。幼少期に英語耳を育めば、正しい発音を聞き取れるようになり、リスニングやスピーキングに役立ちます。
言語の習得には、正しい意味や発音を理解できる能力が必要です。幼少期に英語脳や英語耳を身に付けておくと、英語ならではの言い回しや発音をスムーズに受け入れられるようになります。
1-2.英語への苦手意識が薄くなる
大人になってから英語を勉強する場合、英語や異文化への苦手意識や違和感が学習を妨げるケースがあります。幼少期から英語のある環境に慣れておくと、英語への苦手意識を軽減することが可能です。
実際のところ、英語に対して苦手意識を持っている日本人は7割弱と言われています。一方、子供は異文化や多言語など新しいことに対して比較的寛容です。強い好奇心で、新しい知識や習慣に触れようとします。
カリキュラムの内容も、英語への苦手意識を軽減する理由の1つです。子供向けのレッスンは、踊ったり歌ったりと遊びながら学べるカリキュラムが多く、本人が楽しめる内容となっています。ダンスや歌を通じて遊び感覚で学べるため、英語を話すこと自体に恥ずかしさを感じにくいのもメリットの1つです。
1-3.ネイティブに近い発音が定着する
英語脳や英語耳を育むと、ネイティブに近い発音の習得にも役立ちます。英語ならではの発音を正しく再現するためには、音そのものを正確に聞き取る能力が必要です。英語脳や英語耳が育っている子供の場合、発音を正しく理解できている分、再現しやすさにアドバンテージがあります。
英語の「L」と「R」を正確に聞き分けられたり、「th」の舌の動きを聞き取った通りに真似して発音したりすることは、大人よりも子供のほうが得意です。幼少期は、人間の耳が完成する時期であり、言語習得能力の臨界期です。英語に限らず日常的に外国語と触れる環境を用意すると、自然にネイティブに近い発音を定着させられます。
2.子供に英語の習い事をさせるデメリット
子供のうちに英語の習い事をさせると、メリットがある一方でデメリットもあります。すべての方に当てはまるとは限らないものの、英語を習わせるときはデメリットも理解した上で慎重に検討することが大切です。
子供に英語の習い事をさせるデメリットは、次の3つが挙げられます。
2-1.セミリンガルになる可能性がある
幼少期に英語学習を始めると、子供によってはセミリンガルになる可能性があります。セミリンガルとは、母国語と第二言語のどちらも基礎的な日常会話レベルにとどまることです。
ダブルリミテッドとも呼ばれる状態で、日本語も英語も口語は理解できるものの、理科や数学など複雑な単語や思考を要する科目の学習が困難となります。セミリンガルになると、先生や友達の言葉が十分に理解できず、子供につらい思いをさせかねません。
一見すると問題なく使い分けているように思えても、実際は両方の言語習得に遅れが生じている可能性があります。
国内で暮らす以上、日常的に使用する言語は日本語に限られます。英語の習い事をさせるときは、日本語学習の機会を極端に減らさないように、学習方法やバランスを意識することが大切です。
2-2.子供が望んでいない場合がある
本人が「習いたい」と言い出したわけではない場合、子供にとって英語学習が負担になるおそれがあります。
子供が望んでいない状態で無理に英語を習わせても、効果的に英語力が身につくとは限りません。習い事や英語そのものに苦手意識を持ったり、トラウマを抱えたりすることがあります。
例えば「1日2時間程度は英語を勉強する」といったようなルールを設けていると、子供は次第に学習意欲を失います。最初は好奇心で積極的に取り組んでいても、義務感が生じると楽しめません。
中には、クラブ活動やほかの習い事に興味が移る子供もいます。無理に英語学習を続けさせようとすると、プレッシャーを感じる子供もいるため注意が必要です。子供が本当に望んで習い事に通っているのか、楽しめているかで知識の吸収しやすさも異なります。
2-3.継続しないと忘れることが多い
小学校・中学校への入学や進級で、子供の生活環境は大きく変化します。目まぐるしく変わる生活の中で、同じ習い事を継続するのは難しいでしょう。本人の希望ではなく周囲の勧めで習い事を始めた場合、無理に通わせ続けると英語そのものが苦手となります。
しかし「本人が飽きたから」「基礎は固めたから」と安易に辞めさせることも適切とは言えません。習い事を辞めさせると、わざわざ覚えた英語や発音方法を忘れる可能性があります。
子供に限らず、英語学習や英語と触れる環境から身を引けば、それまでに習得した英語の知識は徐々に忘れます。子供のころに基礎を覚えても、学習を継続しなければ徐々に忘れるため、応用につながりません。身に付けた英語を忘れないようにするためには、子供が自然に英語と触れられるような環境を整えてあげることが大切です。
3.英語の習い事ができる施設の種類
英語の習い事ができる子供向け施設は、複数挙げられます。それぞれ教育方法や費用が異なるため、条件の合うところを慎重に選びましょう。
英語の習い事は、おもに以下の施設で受けられます。
施設の種類 | 特徴・メリット・デメリット |
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英語塾 | 英語学習を取り入れている学習塾です。小学生をターゲットとした施設が多い一方で、未就学児にも指導している英語塾もあります。 学校の授業の先取りや英検対策ができるメリットがある反面、文法の勉強が主流となる点に注意が必要です。 |
英会話教室 | 子供向けの英会話教室です。大人向けと異なる学習プログラムで、子供が楽しみながら学べるメリットがあります。オンライン英会話も人気です。 デメリットは会話中心で学習するため、ライティング能力が身につきにくい点です。 |
プリスクール | 未就学児を預かる保育所の中でも、おもに英語でコミュニケーションを取る施設を指します。 保育園や幼稚園に通いながら英語に触れられる一方で、日本語に触れる機会が減るおそれがある点に注意が必要です。 |
インターナショナルスクール | 日常的に英語での教育が行われている施設のことです。従来は日本に滞在している外国籍の子供向けの施設でしたが、近年では日本人児童も増えつつあります。 外国籍の友達と学べる点はメリットですが、厳密には学校教育法で定められた教育施設ではありません。 |
英語学童 | 英語学童英語に対応している学童のことです。放課後から夕方(夜間)まで、英語に触れられる環境で子供を預かってくれます。 ネイティブの講師が多く、日常会話が英語のみの施設もあるため、人によっては日本語が通じないストレスを感じることがあります。 |
施設ごとに、学習できる頻度や費用が大きく異なります。例えば、英会話教室は週1回が一般的であるのに対して、英語学童は保護者の仕事の都合により週5日通えるケースも珍しくありません。
スクールと名の付く施設であっても、学校教育法で指定される教育機関とは限らない点にも注意しましょう。入学させる前に、日本の学校卒業資格が取得できるのかを確認することが大切です。
まとめ
習い事を通して幼少期から子供に英語を学ばせておけば、英語脳・英語耳を養いやすく、結果としてネイティブに近い発音を身に付けられるメリットがあります。また、英語への苦手意識を薄められるという点もメリットと言えるでしょう。
一方できちんとした環境・学習方法で英語を学ばせてあげないと、セミリンガルになるリスクがあります。半ば強制的に習い事をさせている場合は英語そのものが嫌いになり、そのせいで英語に接しなくなれば、覚えた英語もいずれ忘れることになりかねません。
子供の意思を尊重しながら、楽しく継続できる習い事・英語学習施設を見つけることが大切です。