学童保育の指導員に関する3つの問題とは?指導員以外の問題も

学童保育の指導員に関する3つの問題とは?指導員以外の問題も

学童保育において、子どもと接する指導員は重要な存在です。現在は学童保育の需要が高まっており、指導員が果たす役割はますます大きくなっています。一方、学童保育の指導員に関する問題が取り上げられることも珍しくなく、学童保育は安全なのか不安に感じる保護者もいるでしょう。

そこで当記事では、学童保育の概要や需要が高まっている理由に加えて、学童保育の指導員に関するよくある問題を紹介します。定員数や閉所時間など、指導員以外の内容も把握して、学童選びの参考にしてください。

 

1.学童保育とは?

学童保育とは、放課後の時間帯から17~18時あたりまで子どもを預かる施設を指します。「放課後クラブ」という名称が使われることもあるものの、正式な名称は「放課後児童健全育成事業」です。

出典:厚生労働省「放課後児童健全育成事業について」

学童保育には指導員が駐在しており、子どもが遊んだり勉強したりするのをサポートする役割を担っています。学童保育の種類は大きく分けると以下の2つです。

公立学童自治体によって運営されている学童。料金は安いものの、スペースが狭いデメリットがある
民間学童民間会社や学校法人によって運営されている学童。料金はやや高いものの、サービスが充実しているメリットがある

公立学童の施設数は増加しており、令和3年では26,925か所となりました。この数値は過去最高で、令和2年の26,625か所より300か所増加しています。

出典:厚生労働省「令和3年(2021年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(令和3年(2021年)5月1日現在)」

 

1-1.学童保育の需要が高まっている理由

学童保育の需要が高まっている理由には、「小1の壁問題」が挙げられます。小学校に入ると延長保育がない上、共働き家庭の場合は親の帰宅が遅くなるため、子どもは家に帰宅しても1人で過ごすことになります。そのため、子どもの預け先として学童保育を利用するケースが多い状態です。

現在は学童保育の施設数だけでなく、登録児童数も過去最高の1,348,275人となり、令和2年と比較すると37,267人増えています。このような流れもあり、今後ますます学童保育は求められるでしょう。

出典:厚生労働省「令和3年(2021年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(令和3年(2021年)5月1日現在)」

 

2.学童保育の指導員に関する問題3つ

学童保育の利用を考えているものの、指導員の質や数について不安を感じる人は多くいます。学童保育の指導員の実態はどのようになっているのか、利用を検討する際は知っておきましょう。

ここでは、学童保育の指導員に関する問題について、3つの観点から解説します。

 

2-1.指導員の不足による待機児童の増加

学童保育では指導員不足が指摘されています。その原因の1つが、2015年に学童保育の利用対象が小学校1~3年生から小学校6年生までに拡大したことです。

出典:厚生労働省「放課後児童クラブ運営指針」

この変更によって、学童保育を利用する子どもの数が増加し、多くの指導員が求められる状態になりました。しかし、利用児童の増加に対し、指導員の数の充実が間に合っていません。令和3年では17万人を超える指導員が活躍していますが、まだまだ多くの指導員が求められています。

また、指導員の人手不足によって学童保育の待機児童数が増加しています。令和3年の待機児童数は 13,416人で、令和2年と比較すると2,579人減少しました。しかし、小学1年生・2年生の待機児童は令和2年よりわずかに増加しており、小学校低学年の子どもが学童保育を利用できない状態が見られます。

出典:厚生労働省「令和3年(2021年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(令和3年(2021年)5月1日現在)」

 

2-2.基準緩和による指導員の質の低下

指導員の数が不足していることに加えて、質の低下も問題と言われています。放課後児童支援員の資格を取得するためには、講習の受講が必要です。講習を受けるための条件は下記の通りです。

実務経験がある場合高卒者で、2年以上の児童福祉事業に従事した人
実務経験がない場合保育士・社会福祉士の有資格者、大学等での社会福祉学等を修了した人

上記の条件が厳しいこともあり、放課後児童支援員を補助する「補助員」が資格を取得する場合、研修の受講に必要な経験年数の短期化が検討されています。

出典:内閣府「放課後児童支援員研修の受講要件の緩和」

基準緩和によって、指導員の不足は解消されることが期待できます。一方、現場経験が足りない指導員が増加すると、指導員の質が低下することが懸念されている状態です。

 

2-3.労働環境の悪さによる指導員の離職

指導員の問題には、指導員を取り巻く環境も挙げられます。やや古いデータではありますが、2008年の資料では指導員の半数は年収が150万未満という状態でした。また、正規職員が少なく、非正規職員が多いことも報告されています。

出典:厚生労働省「学童保育の現状と課題、私たちの願い」

現在は、上記のデータよりも待遇が改善されている可能性はあります。とはいえ、学童保育で働く指導員の待遇がいいとは言えない状態であり、そのような状態に不満を感じて離職する指導員は珍しくありません。

処遇改善の取り組みとしては、例えば大阪市が処遇改善の補助金交付を実施するなど、さまざまな動きが見られています。今後、このような取り組みが拡大すると、指導員の待遇は改善されるでしょう。

出典:大阪市「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業補助金交付要綱【令和3年4月1日施行】

 

3.学童保育が抱える「指導員以外」の問題とは?

学童保育には指導員の問題だけでなく、他にもさまざまな問題点が見受けられます。学童保育を利用する子どものことを考えて、学童保育が抱えるさまざまな問題の詳細を知ることは重要です。

ここでは、学童保育が抱える指導員以外の問題について、定員数・閉所時間・立地の3点を解説します。

 

3-1.【定員数】子どもが落ち着けない

学童保育の定員数は施設の広さなどで異なりますが、厚生労働省が示す基準では40人程度が望ましいとされています。

出典:厚生労働省「放課後児童クラブの基準等について(前回の積み残し)」

しかし、場合によっては40人以上で運営を実施する学童保育もあると言われています。40人以上の子どもの世話を、2人の指導員だけでこなすことは簡単ではありません。指導員が細かい部分まで見ることができず、子どもの事故やケガにつながる場合があります。

また、定員数が多い施設では、子どもにとっても落ち着いて過ごせないデメリットがあります。勉強に集中したい子どもがいても、周囲がにぎやかな状態であれば集中することが難しく、ストレスに感じるでしょう。

 

3-2.【閉所時間】共働き世帯の負担になる

公立学童の場合は、閉所時間が基本的に18~19時に設定されています。厚生労働省の調査では、平日・休日の両方で19:01以降に閉所する施設数は、全体の5%という結果が出ています。平成24年時点の数字のため、現在は5%より高い数値の可能性もあるでしょう。

出典:厚生労働省「放課後児童クラブの基準等について」

しかし、20時・21時といった遅い時間まで対応する公立学童はほとんどないと言える状態で、帰宅が遅い共働き世帯にとっては閉所時間がネックになることがあります。

より遅い時間まで子どもを預けたい場合は、なるべく民間学童を利用することがおすすめです。民間学童では、施設によっては21~22時まで子どもを預けられることもあります。

 

3-3.【立地】子ども1人で移動しなければならない

公立学童・民間学童といった種類にかかわらず、施設がどこにあるのかという立地の確認が重要です。

公立学童の多くは、学校の敷地内および空き教室などが利用されています。しかし、中には学校から離れた公民館などで運営されることもあるため、子どもが安全に移動できるのかどうか、導線を確認しましょう。

民間学童は駅の近くに施設があることもあれば、駅から離れたところに施設があるなど、立地環境は施設ごとで異なります。子どもが1人で歩いて移動しなければならない場合は、なるべく「お迎えお送り付添いサービス」がある民間学童を選びましょう。お迎えお送り付添いサービスがあれば、子どもが学童保育に通うまでに事件・事故に巻き込まれる可能性が低くなり、安心して預けられます。

 

まとめ

当記事では、学童保育の指導員に関する3つの問題を中心に、指導員以外の問題も解説しました。

学童保育の必要性は高まっており、今後もこの流れは加速することが予測されます。学童保育を利用する際は、指導員の数などをチェックしましょう。また、子どもが安心して過ごせるよう、施設の広さ・閉園時間・立地なども重視して選ぶことが重要です。

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